月のカード。
数字「18」数秘「9」。
生命の木では審判と逆相。
意味的に太陽と逆相。
数秘的に隠者と逆相。
正位置のポジティブ:夢/周期
正位置のネガティブ:不安/未練/幻想/幻惑
逆位置のポジティブ:現実/脱却/離脱/覚醒
逆位置のネガティブ:諦観/冷徹
その残り香だけを持って行けと
抗い難い潮汐力は落ち着かせたはずの心を波立たせ七つに縛って封じた過去を呼び覚ます。そんなアルカナが月です。鏡に写るのはあなたの本心。これまでたどたどしくもそれなりに運命を歩んできた道のりにおいて、誰にでもある未練や後悔を湧き上がらせて「ひょっとしたらこうすればよかったんじゃないの」と唱えるもう一人のあなたを映し出します。それは幻、うたかたの夢。後ろ髪クライマックスです。芳しき香りを捧げよとは神の言葉ですが、色や香りだけでは満足いかないのが人間で、幻であるのは分かっているのに手に入らないのは分かっているのに見えるから香るから、その場から離れる事ができない。月明りの元何度も何度も手を伸ばそうとする。その手を引っ込めない事には夜は明けないのも、それも、分かっているのですが。闇雲に手を伸ばし続ける人を見下ろし嗤う事も慰める事もできずにただ沈黙するしかない月も辛かろうと思うのです。
運命において得られるものはポジティブなものだけではないのですね。私にもある黒歴史、未練も未練も未練もあるのです誰にでも。その想い出だけを持って行け、と。辛けりゃ箱に仕舞って鍵でも掛けて持っていけと。下手すりゃなーんの役にも立たないそれもまた、あなたや私の人生です。