さて、未来から集まってきたいろんな運命の素材が固まって固まってだんだん形になってきて、そして現在に至って出来事が起こるというイメージ、何となく掴めましたでしょうか。
まあ図にすればこんなです。この図だと現在は一点になってますが、当然選ばれなかった素材、使われなかった出来事は、この現在から始まれて何も起こさずに過去へと流れていくのですね。で、もしこのスイカ割りの場でA君とBさんになんらかのロマンスのフラグが発生した場合、これらの素材は彼にとって「いい出来事を生み出すための良い素材だった」ということになるのです。が、さて。ここで別の男性に登場してもらいましょう。
C君。25歳。職業は会社員。独身。恋人もなし。給料は手取りで23万ちょい。PowerPointが苦手。そしてスイカ割りに強烈なトラウマあり。
「スイカ割りにトラウマってなんで?」ってそりゃ子供の頃にスイカ割りやってて砂浜で寝ていた祖父の頭に間違って思い切り棒切れを振り下ろしたからですよもちろん。じーちゃん血まみれで救急車に運ばれて7針の重傷。まあ今もまだ元気なんだけどね。そんな過去。トラウマなのです。だから彼はスイカ割りというか目隠しをして棒を振り下ろす事ができない。心拍数がどーんと急上昇してその場にへたり込んでしまうのです。という設定でGo。
前略
↓
「C君夏バテ気味」
「意外に手持ちの仕事が早めに片付いた」
「今年のお盆は大学の友だちも帰省するらしい」
「会社のお盆休みが結構取れた」
「帰省組にはあこがれのBちゃんもいるらしい」
ここまでは良し。
↓
「C君夏バテ気味」
「意外に手持ちの仕事が早めに片付いた」
「今年のお盆は大学の友だちも帰省するらしい」
「会社のお盆休みが結構取れた」
「帰省組にはあこがれのBちゃんもいるらしい」
「みんなの帰省先には海水浴場がある」←New
「帰省先の叔父さんがスイカくれるらしい」←New
あああああああああああっ!
↓
そして現在。スイカの前でへたり込むC君に周囲ドン引きという結末。
「ぼ、僕にはできないっ」
ね? こういうこともあるのさ。あるってば。まあ何が言いたいかというと、ある人にとっての「いいことの素材」が別の誰かの「いいことの素材」になるとは限んないんですよ。だから体感時間上で起こっている事は、人によって時間や事件の性格がばらっばらなのです。素材の性格が人によってばらばらなので、運命は再現性がないの。塩酸と水酸化ナトリウムを混ぜたらいつも食塩ができるような化学の実験とは性質が違うのです。これがまず一点。運命の大事なところ。
しかしこの話には続きがありまして。
★★★
C「僕にはできないっ」
B「・・・ヘタレ」ボソッ
C「えっ?・・♥」ドキッ
おや? Cくんのようすが・・・
えーと。タロット覚えたての中高生も読む可能性があるんじゃないのかこのページは。申し訳ありませんユウラです。しかしあえて。もしこのシチュエーションで唐突に。
C君に新たな性癖が目覚めてしまったら!
ていうかそんなキャラ設定だったかBちゃんは。つまりね。こういうイレギュラーが現実で起こってしまうと何が起こるのか。そもそもC君にとって「スイカ割り」は「悪いこと」に属するシチュエーションだったわけで、それを実現させた運命の素材もすべて「悪いことの素材」だったはずなのです。ところが。こーなってしまうと。目覚めてしまうと。それらがすべて一瞬で、その瞬間に。まるでオセロの駒がひっくり返るかのように。「いいことの素材」に変化してしまうのですね。びっくり。
まあ目覚めたのがいいことなのかどうなのかはおいといて。ここではいいことと仮定して。確信して。話を進めますと。それは素材だけに限らず、なんと過去のトラウマに関しても連結するわけですよ。だってそうでしょ? じーちゃんの件がなければC君は普通にスイカ割りができたわけで。それならこんな展開もなかったわけで。
過去はね。事実は変えられないのです。しかし、その過去が持つ意味は、今でも現実に紐づいているのです。紐づいているから、あなたはあなたの過去が持っている意味を、じつは今でも変えることができるんですね。今回の件はイラストにするとこーなるっ。
じーちゃんも草葉の陰でじゃなかった生きてる設定でしたね、きっと喜んでくれるはず。今回はホントーに例えが適切だったかどーか分からない。分からないが、けっこー良いこと言ってる。気がする。じゃなきゃ夜中に睡眠削ってこんなイラストせこせこ作ってる私が報われないじゃないか。
トラウマはトラウマのままじゃないのです。失敗は失敗のまま、後悔は後悔のままじゃないのです。一生後悔するなんて言ってないで、ひっくり返すんですよオセロのように。くるっと。
人生どーにでもなるの。とうわけでタロットの話に戻りましょうかね。続きます。